一晩眠ることで、練習してもうまくできなかったことができるようになったり、覚えようとしても難しかったものが簡単に思い出せたりする、という経験はよく見受けられます。
そうした事実を踏まえて、睡眠中に自分の身体の中で何が起こっているのかと疑問に思う人もいるでしょう。
その詳細はまだ科学的にも完全に解明されたわけではありませんが、活動によって損傷を受けた身体を回復して元に戻そうとする代謝が活発に行われていることはわかっているようです。
また、脳では記憶の整理が行われていることが示唆されていて、昼間に詰め込んだ内容を使いやすい形に整える力が働いているとも言われています。
ただ、このような睡眠の力は必ずしも元通りにすることを目標としているわけではないようです。
与えられた環境の中で、より良い形で活動できる身体を作り上げようという力が働いています。そのため、人は睡眠によって総合的に能力を高めることが可能だと言われています。
脳や身体にかかってしまった負担を回復する時間として考えると、昼間に受けた損傷を回復するのに必要な時間よりも長く睡眠時間を確保できればより良い状態に近づいていくことが期待できます。そうした意味でも、十分に深くて長い睡眠の時間を毎日確保することは、非常に重要であるといえるでしょう。
そのため「自分を成長させたい」という時には、むやみやたらに練習に励むのではなく、適度な練習と十分な睡眠を組み合わせることが大切です。